病院ベッド過剰   2018-2-23       日経新聞朝刊

病院ベッド過剰とは最近の話であるが、歯科医院過剰は20年以上前から言われた話である。私が開業した35年前は歯科医院が足りなくて虫歯を抱えた患者が洪水のように押し寄せた。しかし歯科医師が増え患者の衛生思想が行き渡ると虫歯は激減した、学校検診をやってもほとんど虫歯は無い。そこで歯医者が目を付けたのがホワイトニングと審美歯科だ、歯はあくまでも人間が食事をする手段であって白くする必要はない。逆に白くする薬を口の中に入れることでリスクが生じる。ホワイトニングは専門用語だとブリーチングと言って漂白である、台所の漂白剤を口の中に入れることで体にいい訳が無い、最近はラバーダム防湿で歯肉につかないようにしているがやはり漏れるものである。漂白した歯は白くはなるが艶がなくなる、歯は白いのが美しいのでは無くてピカピカツヤツヤしているのが美しいのである。我々が学生時代、入れ歯の人工歯の色を選ぶ場合は患者さんの顔色などを参考に選ぶように教育されたものだが、歯だけ白いと調和が取れなくておかしい。審美歯科も似たようなもので基本的には食事には関係が薄い。病院も生き残るためには不要な手術や検査、健康な人を病人に仕立てて薬漬けにするかも知れないので気を付けなければいけない。(血圧などの検査値は30年前と比べてかなり下がり、昔は健康だと言われた人も今は病人とされ薬漬けになっている)

 

口腔乾燥症

人間は高齢になると多かれ少なかれ唾液が減少します、ただ明らかに口の中がヒリヒリするとか、高齢になって急に虫歯が増えたり、歯周病が悪化する人には同じ様な傾向が見られます。それは医科より降圧剤、抗うつ剤、抗パーキンソン剤等が処方されています、中には予防的に飲んでいるという人もいて口腔内の環境の悪化を考えると、なんとかしなければと思います。薬は必ず副作用がありますから飲まないに越したことはないのです。